屋根材の種類
材質による分類
粘土瓦・・・初めて日本に伝来した、瓦の基本ともいえるもの。JIS規格で「粘土を主原料として混練・成形・焼成したもの」と定義されており、大きく分けると、いぶし瓦、釉薬瓦(陶器瓦)、無釉薬瓦の3つに分けれれます。瓦自体の耐久年数はおよそ50年くらいと抜群の性能を誇ります。
セメント系・・・セメントを主原料とし、製法により厚形スレート、その他の施釉セメント瓦、高分子繊維強化セメント瓦、コンクリート瓦などに分けられます。瓦自体の耐久年数は約30年くらいです。
セメント系・・・セメントを主原料とし、製法により厚形スレート、その他の施釉セメント瓦、高分子繊維強化セメント瓦、コンクリート瓦などに分けられます。瓦自体の耐久年数は約30年くらいです。
金属系・・・ステンレスやガルバニウム鋼鈑、銅などといった素材があり、軽量で設計や加工への自由度が高い製品。耐久性にも優れています。
化粧スレート・・・セメントなどを主原料とし、板状に成形、乾燥した後、化粧加工を行う製品。数年前まで繊維性のものとしてアスベスト(石綿)を原料としていたものが多かったのですが、近年、環境や保険問題などによって無石綿化が進んできています。
シングル材・・・アスファルトルーフィングの表面に細かい砂利を付着し着色加工したもの。軽量で柔軟性があり、曲面になじみやすく自由な形に対応できます。
形状による分類
本葺形 | 粘土瓦が伝来して以来、桟瓦が発明されるまで、広く用いられてきた形状。平瓦、丸瓦、桟瓦、役瓦(軒瓦、掛瓦、冠瓦、巴瓦)などがあります。 |
J形(和型) | 日本瓦として伝統的に使われてきた瓦で、平瓦と丸瓦を1枚に結合したデザインになります。 |
F形(平板瓦) | 「F型」のFは、平面を意味するフラットに由来します。J型瓦の基本である山と谷の凹凸をなくした平板状のデザインが特徴です。 |
S形 | 明治以降に輸入されたスパニッシュ瓦から発展した形。上丸瓦と下丸瓦を一体化させたもので、大正末期に愛知県三州で開発された商品です。 |
J形(日本瓦)
F形(平板瓦)
S形(S瓦)
製法による分類
いぶし瓦
一般的に黒瓦と呼ばれている瓦で、焼成の最終段階で多量の炭化水素を含むガスを一時的に発生させて、瓦を燻化させて銀灰色に仕上げた瓦です。
一般的に黒瓦と呼ばれている瓦で、焼成の最終段階で多量の炭化水素を含むガスを一時的に発生させて、瓦を燻化させて銀灰色に仕上げた瓦です。
このいぶし銀の落ち着いた色調が好まれ、和風建築には時代を問わずよくマッチします。
釉薬瓦
乾燥させた瓦(白地)の上に釉薬(うわ薬)を塗り焼成したもので、青系、黄色系、緑系など様々な色合いに仕上げた瓦です。
乾燥させた瓦(白地)の上に釉薬(うわ薬)を塗り焼成したもので、青系、黄色系、緑系など様々な色合いに仕上げた瓦です。
ガラス瓦
ガラス製の瓦で屋根の開口部分を葺くトップライトシステムです。住宅の各部屋の天窓や、日照条件が悪い部屋に瓦屋根はそのままで採光できます。
ガラス製の瓦で屋根の開口部分を葺くトップライトシステムです。住宅の各部屋の天窓や、日照条件が悪い部屋に瓦屋根はそのままで採光できます。
いぶし瓦
釉薬瓦
ガラス瓦
瓦の歴史
日本では今から1400年前の西暦588年百済から仏教と共に伝わったとされ、飛鳥寺で初めて使用されたと言われています。
その後、日本では寺院、城などの屋根材として使用され始めましたが、江戸時代の明暦の大火により町の防火の面から武家屋敷等住宅でも使用され始めたと言われています。
一般市民の住宅に用いられたのは明治以降で、粘土瓦の本格的な工業生産は昭和20年代に始まり、全国で粘土瓦が普及していきました。